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「介護施設の人手不足により事故やトラブルが相次いでいる」「人手が足りないことは理解していてもどうやって対策したらよいのかわからない」と悩む管理者や主任、事業者の方も多いのではないでしょうか。
介護施設の人手不足により、事故やトラブルが増えると、施設の信用が失われます。
また、既存職員の負担も増えるため、ますます離職率は上がってしまい、人手不足が加速するなど、負のループに陥ってしまうでしょう。
そこで、この記事では、介護業界の人手不足の現状を説明するとともに、人手不足になりやすい原因や起こってしまうリスク、介護施設でできる人手不足の対策などを紹介していきます。
記事を読めば、人手不足の対策方法がわかり、介護施設の既存職員の離職を防ぎながら、トラブルや事故による信用失墜を回避につなげることができます。
介護業界の人材不足の現状
介護業界の人材不足は、ずっと嘆かれている慢性的な問題です。
厚生労働省によると、2022年時点での全国の介護職員数は約215万人であり、2040年には更なる日本社会の高齢化により、約57万人の介護職員が不足すると言われています。
年々高まる社会的なニーズとは反対に、まだまだ人材不足であることが介護業界全体の課題なのです。
しかし、人材不足の解消は難しい課題であり、乗り越えるためには、事業所全体での工夫や努力が必要になるでしょう。
参照:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
介護現場で人手不足になりやすい原因3つ
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介護現場で人手不足になりやすい原因は何でしょうか。
ここからは、介護現場で人手不足になりやすい原因3つを解説していきます。
責任・負担に対する対価が少ない
介護は、利用者様の日常生活上の安全や健康を守る仕事でもあります。
その責任を重く感じ、さらに、それによる対価が少ないと感じる人がいるのも事実です。
介護現場で働いていた私も実際にそのように感じたことはありました。責任や負担に対し、給料額が見合っていないと離職につながり、介護の人手不足になってしまいます。
人間関係で悩みやすい
介護現場は、人間関係で悩みやすいのも人手不足の原因の一つです。
人間関係で悩みやすい理由は以下のとおりです。
- ・多忙でピリピリしがちである
- ・独特の風習ができやすい
- ・主張が激しい人に引っ張られがちになる
介護現場が多忙であれば、空気が悪くなり、人間関係にも悪影響をもたらしてしまう可能性があります。
また、介護の仕事は、フロアやユニットごとに職員がわけられるため、閉鎖的な空間になることも多く、それによってできた独特の風習や主張が強い人に合わせなければならない風潮に嫌気がさしてしまうことも。
このような理由から、人間関係で悩んだ挙句、介護職員が離職してしまい人手不足に陥ってしまいます。
働きやすい環境が整っていない
介護現場が働きにくいと、離職率が上がって人手不足になります。
そのため、離職率を下げたい場合は働きやすい環境づくりが大切です。
介護職員にとって働きにくい環境とは、例えば、以下のような環境です。
- ・転倒リスクや職員負担を軽減させられるような福祉用具が揃っていない
- ・働く動線が整っていないため、一つの仕事に時間がかかる
- ・休憩が思うようにとれない
- ・人手が足りず、丁寧に利用者様に関われない
- ・連携がうまく行われず情報共有ができない
利用者様の事故などを防ぐための環境が整っていないと、職員負担は減りません。
また、人手不足により丁寧に利用者様に関われなかったり、休憩もまともにとれなかったりする環境であれば、モチベーションを失い、ますます離職率は上がってしまいます。
全てをすぐに改善することは難しくても、少しずつ良くしていくような取り組みが大切です。
人手不足により起こってしまうリスクは?
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介護施設で人手不足になると、利用者様の転倒や事故が発生しやすくなります。
なぜなら、人手が足りないことで見守りや対応の不足が発生してしまうからです。
例えば、転倒リスクのある利用者様が廊下を行き来しても、人手不足で付き添いができず、結果転んでしまう可能性もあります。
このように、人手不足により、事故などが多発すると、ますます職場の空気は悪化し、介護職員の士気は下がります。
そうすると離職者が相次ぎ、負のループから抜け出せなくなってしまうのです。そうならないためにも、介護現場で人手不足を解消するような対策ができたら一番良いのですが、現状、今すぐには難しいという介護施設も多いでしょう。
そこで、次の章では、介護現場が人手不足でも、転倒や事故の発生を防ぎ、職場の雰囲気を改善するような対策の方法を紹介します。
介護現場でできる人手不足の対策
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ここからは、介護職員として働いていた私の経験を交えながら、介護現場でできる人手不足の対策について解説していきます。
シフト調整を工夫する
まず大切なのは、シフト調整の工夫をすることです。
なぜなら、バランスの良いシフトをつくることで、職員の負担軽減や事故防止につなげることができるからです。
例えば、トラブルが起きやすい時間帯やパターンを把握し、そこに職員配置を集中させることで、見守りや対応の不足からの事故を防ぎやすくなります。
また、シフト作成や管理をしてくれる介護ソフトなどを活用すれば、簡単にバランスの良い勤務表がつくれます。
不要な業務を減らす
介護施設の人手不足対策としては、不要な業務を減らし効率化を図ることも大切です。不要な業務を減らしていくことで、優先的に必要な介護ケアに取り組むことができるからです。
例えば、記録をデジタル化する、物品補充でロスするなら導線を改善して時間短縮に努めるなどが良いでしょう。
不要な時間を減らすことは、職員の負担軽減にもつながります。
定期的に職員面談を行う
人手不足対策として、定期的に職員面談を行うのもおすすめです。
定期的に職員面談を実施することで、各職員が抱えている悩みや不満、要望などが把握でき、離職防止につなげることができるからです。
職員面談を行うことで、お互いの思考の理解を深めることもできるため、管理者と職員の心のすれ違いを抑えられるかもしれません。面談では、各職員から業務改善の提案などを聞いてみるのも良いでしょう。
福祉用具を揃える
人手不足対策として、福祉用具を揃えるようにしましょう。
なぜなら、最近では介護職員の負担を減らしたり、事故を防いだりしてくれる高機能な福祉用具が多く開発されているからです。
例えば、以下のような商品です。
- ・高機能な見守りセンサー
- ・介助を手助けする介護ロボット
- ・転倒による骨折を防ぐ床・マットレス
現状、人手不足の場合でも、福祉用具を揃えることで職員の負担を軽減したり、事故やトラブルを防いだりすることができます。
特に、利用者様の安全に関わるような転倒予防をしてくれるマットレスや介助を助けてくれる介護ロボットなどは積極的に導入を検討していきたいところです。
まとめ
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人手不足に悩む介護事業所は、まだまだ多いのが現状です。介護業界の人手不足に対する課題は多く、簡単には解決できない現実もあります。
しかし、現在人手不足であっても、一旦その課題を受け入れ、最善を尽くすことが大切だと思います。
人が足りない状態でも、安全性を保てる工夫や職員の負担軽減につなげる取り組みを行っていくことで、職場環境は改善されていくでしょう。
また、離職や信頼失墜を防止する取り組みの一つとして、転倒や骨折を予防できる床・マットの導入もおすすめです。
床材は転倒事故において重要な要素の一つとなります。
歩いているときには硬く、転んだときには柔らかく吸収してくれる「ころやわ」であれば、歩きやすい床で転倒予防になるのはもちろんのこと、もしも転倒してしまった際にも、柔らかく衝撃を吸収してくれるため、骨折などを防いでくれます。
「ころやわ」の導入を検討し、利用者様の生活の安全を守り、ご本人やご家族との信頼関係構築を目指していきましょう。