「ころやわ」を使ってみて
ー 本日はよろしくお願いいたします。「ころやわ」をご使用いただいてから1ヵ月ほど経ちましたが、使ってみてのご感想を教えていただけますか?
ご担当者様:
当院では「院内での転倒骨折をゼロにする」という目標があり、以前から「ころやわ」に関心がありました。実際に使用してみた感想ですが、まず患者さんがベッドでの端坐位からポータブルトイレに移乗する際や、車いすへ移乗する際の安心感が増しました。当院ではポータブルトイレを使っている患者さんが多く、従来の緩衝マットと違って、「ころやわ」だとポータブルトイレも置くことができるのでいいですね。また、汚れたときに清掃しやすいのも嬉しいです。
「ころやわ」を使用している病棟の床は木目調なので、「ころやわ」を置いても違和感がありません。特に認知症の患者さんは、環境が変化するとパニックになる方もいますので、色や柄が既存の床と大きく違わない点でも安心感があります。
転倒リスクだけでなく転落リスクにも対応できるため、8~9割の患者さんが利用対象になる
ー 現在はどういった患者さんに「ころやわ」を使っていただいているのでしょうか?
ご担当者様:
脳外科病棟で、脳梗塞などで入院している患者さんに使用しています。
運動麻痺があるような患者さんで、自力で歩くのは困難だけれど、頑張って一人で歩いてしまうような方に適していると思います。そういう方は夜に自力で歩こうとして転倒することが多いですし、離床センサーを使っている場合でも、センサーが鳴ってから看護師が駆け付けるまでには少し時間がかかるので、そこに「ころやわ」があると良いと思います。
また、入院直後は歩けなかったけれど、その後の経過が良くてピックアップ式歩行器で歩行できるようになった患者さんにも適していると思います。「ころやわ」の上であれば歩行時も足元が安定しますし、膝への負担も少ないからです。
ー 1番転倒が心配なエリアは、どこでしょうか?
ご担当者様:
やはりベッドサイドですね。転倒の約9割がベッドサイドで発生している認識です。トイレは、手すりがあるのでそれほど転倒は発生していないのですが、立位の状態で安定しない方は転倒が心配です。
ー そうなると、どのぐらいの患者さまが「ころやわ」を使う対象になりますでしょうか?
ご担当様:
8~9割の患者さんが対象になるのではないでしょうか。
例えば、自力で歩いて転倒するリスクがある方だけでなく、ベッドから転落する患者さんも対象になりますね。転落リスクがある患者さんは、自分で柵を外してしまったり、柵を乗り越えてしまったりするので、現状はそういった場合に備えて緩衝マットをベッドの両サイドに敷いています。
そのほか、脱水状態で入院する患者さんだと、入院翌日には脱水症状が治って元気になるので「動いても大丈夫」と思い込んで、動き始めたらベッドから落ちてしまうケースもありますね。そういう患者さんにも有効なので、「ころやわ」が居室全面に敷いてある状態が理想です。
従来の緩衝マット利用時よりも、看護師が患者さんのケアに集中できるようになった
ー 「ころやわ」があることで、職員の皆様の業務に変化はありましたか?
ご担当者様:
通常の床と同じように使えるという点で、看護師が安定した足元で患者さんのケアに集中できるようになりました。というのも、これまで使っていた緩衝マットは厚さ約4㎝あるものなのですが、車いすでも上に乗ることができるとうたっている商品でした。ですが、やはり厚みがあるので床と同じようにはいかず、一方で毎回ベッドサイドから緩衝マットを移動させるのも手間なので、看護師は緩衝マットの上にそのまま乗って、不安定な足元のまま患者さんのケアをしていました。
ころやわであれば、敷きっぱなしでよく、普段は硬いので、患者さんのケアがしやすいです。
ー 「ころやわ」に対して、さらに期待していることを教えていただけますか?
ご担当者様:
当院は急性期の病院で患者さんの入れ替わりが早いので、「ころやわ」を必要とする患者さんのところへパッと移動できるような仕様だと良いなと思います。現在は3分割のマットなので、1枚もののマットよりはセッティングに時間がかかるので、簡単にセットができて、いまよりも軽くなって、使わないときはコンパクトに収納できるようになると嬉しいですね。
あとは、今よりもスロープの傾斜が緩やかになると、例えば麻痺があってスロープが上れないような方でも使えるようになり、より前向きにリハビリに励んでいただけるような環境が作れると思います。