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《Column vol.04》介護施設内でどんな転倒事故が起きてしまうのか?

《Column vol.04》介護施設内でどんな転倒事故が起きてしまうのか?

介護施設での転倒事故を防ぎたいと思っている介護サービス事業者の方は多いのではないでしょうか?事故を防ぐために尽くしてはいるけれど、もっと具体的な対策方法を知りたいという方もいると思います。そこで、この記事では、「介護施設でどのような転倒事故が起きてしまうか」や事故の原因、その予防策を紹介していきます。介護スタッフと事故防止の方法を共有したいと思っている管理者の方も、ぜひ参考にしてみてください。

介護施設での転倒事故について

介護施設での転倒予防を考える前に、「どんな転倒事故が起きてしまうのか」など、転倒事故が起きる背景の理解を深めていきたいところです。そこで、ここからは、転倒事故での生活への影響やどんな事故が起きてしまうのかなどを詳しく解説していきます。

介護施設では、どんな転倒事故が起きやすい?

それでは、介護施設ではどのような事故が起きやすいのでしょうか?筆者の特別養護老人ホームの勤務時代を振り返ると、転倒事故で多かったのが、利用者が一人で歩行をして転んでしまう事例でした。特に、認知症などを患っている利用者は、本人一人では歩行困難な状態であっても、それを認識することができない場合があります。そのため、歩行が不安定であるにもかかわらず、補助具などを使わず一人で歩いてしまい、結果、転倒してしまうのです。

その他、転倒事故は以下のようなものがあります。

  • ・ベッドから降りようとしたときにバランスがとれず転倒してしまう
  • ・夜間、靴下のまま歩いて転倒してしまう
  • ・普段、杖を使用している利用者が杖を忘れて独歩で歩いてしまい転倒してしまう
  • ・歩行不安定の利用者が夕方不穏になり、歩き疲れたところでバランスを崩して転倒してしまう

介護現場においては、さまざまな理由で転倒してしまうケースがみられます。介護施設で転倒が起きてしまう原因については、次の章でさらに詳しく解説していきますので、ぜひご覧ください。

転倒事故でQOLが下がってしまう可能性がある

高齢者が生活する上で、転倒事故は起きやすい傾向にあります。

消費者庁HPには、以下のようなデータが記載されています。

引用元:消費庁HP

高齢者の介護が必要となった主な原因の4位が骨折・転倒です。高齢者が生活する上で、転倒リスクが高いというということがわかります。介護施設に暮らす高齢者も同様。介護施設の利用者の健康維持を考えたときに、着目したいのは転倒予防なのです。

介護施設で転倒事故が起きてしまう原因

介護施設では、なぜ転倒事故が起きてしまうのでしょうか?

考えられる原因は大きくわけて以下の4つです。

  • ・利用者本人の身体的な問題
  • ・認知症などによる症状
  • ・スタッフの人手不足
  • ・生活環境

利用者がなんらかの疾患により、歩行困難でうまくバランスがとれない場合や認知症症状により自分の身体機能の状態がわからず歩いて転んでしまう場合など、転倒にはさまざまな原因があります。

中でも特に深刻なのは、スタッフの人員数が足りていないことが原因で起こる見守り不足です。見守りに必要なスタッフの数が足りておらず、転倒を引き起こしてしまう原因に繋がってしまうケースもあります。

特に早朝や夜間帯など、スタッフの数が少なくなる時間帯に見守りができず、利用者が転倒してしまったというケースは多いです。また、トイレが狭く使いにくいなど生活環境が要因になることも。

転倒を予防したいと思ったら、利用者の取り巻く環境を総合的にみることが大切です。

介護施設の転倒事故の予防策4つ

転倒事故は、利用者のQОLを低下させてしまう原因の一つです。

転倒事故により、骨折などを引き起こしてしまうと、体を動かす機会が減り、意欲や身体機能の低下に繋がってしまいます。できるだけ、介護施設の転倒は予防していきたいところです。

そこで、ここからは、介護施設の転倒事故の予防策を4つ紹介していきます。

スタッフの人員配置を工夫し見守りを強化する

転倒事故防止のために、スタッフの人員配置を工夫するのも手です。

例えば、利用者の活動が活発な時間帯をあらかじめ把握し、その時間帯に人員配置を手厚くするといった対策です。しかし、スタッフ数がそもそも不足している状態であれば、この対策は実際に難しいかもしれません。

利用者の行動パターンを把握する

転倒リスクの高い利用者の行動パターンを予め把握しておくことも大切です。

行動パターンを把握するためにおすすめなのが24時間シートの活用です。24時間シートとは、利用者の行動記録を24時間行い、その記録を元に行動パターンを把握していくというものです。

新規の利用者で行動パターンを掴みたいときに活用されています。例えば、以下のような利用者対応のときに活用できます。

【利用者の特徴例】

  • ・歩行不安定で見守りが必要
  • ・認知症あり
  • ・トイレに行きたいということを自分で認識できず、スタッフを毎回呼ぶことができない
  • ・尿意や便意の違和感により一人で動いてしまう

上記のような特徴を持った利用者は、転倒リスクが高いことがわかります。

この場合は、24時間シートを活用した介護ケアを実践していきたいところです。24時間シートで行動パターンを把握した後は、スタッフの配置やトイレへの声かけ、見守り強化など対策をスタッフ同士で話し合いましょう。

生活環境を整える

転倒予防を考えるなら、利用者の生活環境も見直しておきましょう。

例えば、「居室内で足が引っ掛かりそうなコードはないか」「手すりの位置は適切であるか」など利用者が過ごしやすい環境であるかを今一度チェックしてみることが大切です。転倒しやすい場所はないかをスタッフ同士で話し合い、環境改善から転倒予防をしていきましょう。

転倒の衝撃を緩和するマットを導入する

生活環境で転倒防止の対策を進めるのであれば、マットの導入もおすすめです。

医療・介護現場の目線で開発された床・マットの「ころやわ」なら、歩くときは硬いため歩行が安定し、転んだときには衝撃を吸収し、骨折やケガを予防してくれます。

利用者が安心して歩けるマットの導入をぜひご検討ください。

転倒事故の予防策を考えるなら、マットの導入がおすすめ

介護施設の転倒事故は、さまざまな原因が重なることで起こるケースが多いです。記事を参考に介護施設の課題に合った対策をしていきましょう。

また、上記でも説明した通り、転倒事故を予防するなら、衝撃を吸収する床とマット「ころやわ」の導入がおすすめです。歩きやすく転倒しても骨折に繋がりにくいマットをうまく活用し、利用者の過ごしやすく安心できるような生活環境をつくっていきましょう。

この記事を監修しました

中村 亜美

中村 亜美 / 介護福祉士・フリーライター

専門学校の卒業と同時に介護福祉士を取得し、そこから計12年程、特別養護老人ホームで介護スタッフとして勤務。現在は、フリーライターとして、在宅介護者や介護スタッフ、事業者向けのコラムなどを執筆している。(株)Magic Shieldsのコラムでは、介護施設内の課題解決などに着目し、経験を踏まえながらわかりやすい記事の作成を目指している。

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