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《Column vol.32》有料老人ホームの選び方は?特徴や種類、契約までの流れなどを解説

《Column vol.32》有料老人ホームの選び方は?特徴や種類、契約までの流れなどを解説

「家族が特養に入れなかった」「有料老人ホームの入居を勧められたけど、どういうところかわからないから心配」などといった声をときどき聞くことがあります。

有料老人ホームという施設が一体どういうものなのか、詳しくはよくわからないという方もいるでしょう。

そこで、この記事では、有料老人ホームの特徴や種類、契約の流れやメリット・デメリットを紹介していきます。

有料老人ホームの選び方やチェックポイントなども紹介していきますので、ぜひ入居を検討されている方は参考にしてみてください。

有料老人ホームの特徴や契約の流れは?

有料老人ホームという名前を聞いたことがあっても、実際どのような施設なのかわからないという方もいると思います。施設入居を検討したくても、特徴や契約の流れがわからないと前に進めないかもしれません。

そこで、ここからは有料老人ホームの特徴や契約の流れを簡単に解説していきます。

有料老人ホームとは

有料老人ホームは簡単にいうと、皆さんのご認識通り「高齢者が入居して安定した生活を維持していくため」の施設です。

特別養護老人ホームも同じような目的で運営されていますが、その違いは何だろうと気になっている方も多いかもしれません。

有料老人ホームと特別養護老人ホームの主な違いは、民間施設であるか公的施設かです。
特別養護老人ホームは主に社会福祉法人が国から出る補助金で運営している公的施設になります。

一方で有料老人ホームは、民間施設として主に一般の企業が補助金などに頼ることなく運営しているため、自由度が高い代わりに比較的料金が高めになってしまうのが特徴です。

契約の簡単な流れ

契約の手順は状況により前後することもありますが、一般的な流れは以下になります。

1.見学や体験入居の予約
2.見学や体験入居で気に入れば仮契約
3.入居前の面談
4.入居審査
5.本契約

見学や体験入居は必須なわけではなく、3の面談(入居前の面談は施設スタッフやケアマネージャーと行います)から入る場合もあります。

入居前の面談前に健康診断書などの書類提出が必要になることもありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。

また、入居前に必要になる可能性のある準備物は以下の通りです。

  • ・診療情報提供書
  • ・健康診断書
  • ・印鑑証明
  • ・連帯保証人・身元引受人が記載する書類
  • ・戸籍謄本
  • ・住民票

必要な準備物は施設によって異なりますので、入居前に確認しておきましょう。

有料老人ホームの種類や特徴、費用相場は?

有料老人ホームには下記3つの種類があります。

  • ・介護付き有料老人ホーム
  • ・住宅型有料老人ホーム
  • ・健康型有料老人ホーム

ここからは、有料老人ホームの3つの種類について詳しく解説していきます。

介護付き有料老人ホームの特徴や費用用場

介護付き有料老人ホームは、特別養護老人ホームなど一般的に想像されるいわゆる「老人ホーム」のスタイルに一番近い形の施設です。

都道府県により、特定施設入居者生活介護の認定を受けた施設が「介護付き有料老人ホーム」となります。

食事や排泄、入浴など、生活に必要な介護サービスが全般的に受けられるのが大きな特徴です。

介護付き有料老人ホームは、施設の介護職員が直接介護を行うケースと、外部の訪問介護職員が介護ケアに入るパターンと2種類あります。

また、介護付き有料老人ホームはさらに2種類に細分化され、それが「介護専用型」と「混合型」になります。

  • 介護専用型:65歳以上の要介護認定を受けている要介護者が対象
  • 混合型:65歳以上の要介護者だけでなく、要介護認定を受けていない比較的自立した方も対象

主な違いは、サービス対象の条件です。

介護専用型は要介護者に限定されている一方で、混合型であれば基本的に65歳以上であれば要介護認定を受けていない元気な方でも入居することができます。

【費用相場】
介護付き有料老人ホームの費用相場は下記になります。

  • ・入居一時金:0~数百万円
  • ・月額利用料:15~35万円程度

初期費用である入居一時金は、数百万円の大金が必要な施設もあれば、全く必要ない施設もあり、それぞれです。

また、介護付き有料老人ホームの場合、月額利用料の中に介護サービス費が含まれることが多く要介護度がついていれば介護保険が使えますので、自己負担をさらに抑えることができます。

住宅型有料老人ホームの特徴や費用相場

住宅型有料老人ホームは、特定施設の介護付き有料老人ホームとは違い、比較的入居条件の自由度が高い施設です。

60歳以上の制限を設けている施設は多いですが、60歳未満の方でも入居可能な施設もあります。

提供される介護サービスの設定が比較的自由であるため、同じ住宅型有料老人ホームでも施設によって雰囲気が全く違うということも。

また、住宅型有料老人ホームに入居しながら、訪問介護サービスを利用したり、デイサービスに通ったりなど介護サービスを組み合わせることも可能です。

【費用相場】
住宅型有料老人ホームの費用相場は以下です。

  • ・入居一時金:数万~数百万円程度
  • ・月額利用料:10~20万円程度

入居一時金は、入居する際に支払う費用となります。
こちらも介護付き有料老人ホームと同様、設定が各法人・事業所で異なるため、費用はまちまちです。

また、介護が必要でない場合は月額利用料のみとなりますが、介護が必要になった場合は別途介護サービス費用がかかります。

健康型有料老人ホーム

健康型有料老人ホームは、自立していて健康的な高齢者を対象とした施設です。

比較的自立できている高齢の方が、生活力を維持しながら安心して暮らせるようにサポートしています。

健康型有料老人ホームは日本にまだ少数しかないため、あまり馴染のない方が多いかもしれません。

介護サービスの必要がない代わりに、家事やアクティビティができる設備が整えられているなど、シニアライフを送るには抜群の住居空間となっている施設が多いのも特徴です。

基本的に自立度の高い方が対象となっておりますので、なんらかの理由でご自身で生活動作ができなくなり、介護が必要となった場合には退去する必要があります。

退去となった後の転居先は、介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームなど、さまざまです。

まだまだ元気だけど身内が遠方にしかいないため一人暮らしをしているなど、生活に不安がある方に人気が高い施設かもしれません。

【費用相場】
健康型有料老人ホームの費用相場は下記になります。

  • ・入居一時金:1,000万円~5,000万円程度
  • ・月額費用:十数万円~百数万程度


健康型有料老人ホームは、施設設備が整っていることが多く、それだけ費用も高額になりがちな傾向にあります。

高級なホテル暮らしを想像していただけるとわかりやすいかもしれません。

有料老人ホームのメリット・デメリットは?

有料老人ホームの入居を検討している方は、メリットとデメリットを知りたいところではないでしょうか。
そこで、ここからは、各有料老人ホームの種類別にメリットとデメリットを紹介していきます。

介護付き有料老人ホームのメリット・デメリット

介護付き有料老人ホームのメリットとデメリットは下記の通りです。

【メリット】
・入居しやすい
・母数が多いため、広い中から選択できる
・24時間介護サービスが受けられる
・看取りまで行う施設が多く転居の必要がない

【デメリット】
・設定の自由度が高いため、入ってみないとわからない部分が多い
・特養に比べると高額

介護付き有料老人ホームの大きな特徴は、特養等と同じように24時間介護サービスが受けられるということです。

介護度が高い方でも比較的安心して入居できる点がメリットでしょう。

なお、健康型有料老人ホーム等は介護が必要になると退所を余儀なくされ、転居しなければなりません。

しかし、介護付き有料老人ホームであれば、看取りまで行ってくれる施設は多いです。
そういった施設であれば転居する必要がなく、慣れたところに住み続けられる安心感があります。

一方で介護付き有料老人ホームは、特養に比べ方針やサービス内容を自由に設定できる傾向にあるので、場所によっては希望していた内容を違ったということもあるかもしれません。

メリット・デメリットを踏まえると、高齢者本人に合う施設に入居するためには、事前調査が大切になります。

住宅型有料老人ホームのメリット・デメリット

住宅型有料老人ホームのメリットとデメリットは下記の通りです。

【メリット】
・入居しやすい
・母数が多いため、広い中から選択できる
・転居の必要がない施設もある
・自由度が高い施設が多い

【デメリット】
・費用が高額なことが多い
・介護サービスが必要になると別途料金がかかる
・サービス内容や雰囲気がさまざまで入居してみないとわからない点も多い

住宅型有料老人ホームのメリットは、入居者の自由度が高い傾向にあるという点です。

比較的介護度が低い方が入居する傾向にあるため、施設生活の自由度は高く、安全性とのバランスがとれた充実した暮らしが送れるでしょう。

一方で住宅型有料老人ホームは費用が高額な傾向があるため、身内に負担がかかる可能性が高いのがデメリットです。

健康型有料老人ホームのメリット・デメリット

健康型有料老人ホームのメリットとデメリットは下記の通りです。

【メリット】
・アクティビティなど生活が充実するようなイベントや設備が充実している
・シニアライフを満喫できる

【デメリット】
・介護が必要になると退去しなければならない
・費用が高い

健康型有料老人ホームは、日本でもまだまだ少数しかない施設形態ですが、シニアライフを満喫できる施設として人気が高いです。

設備が整っていることで入居者の満足度が高いのもポイントです。

ただ、費用は有料老人ホームの中でも一番高額になりやすいのがデメリットかもしれません。

健康型有料老人ホームは金銭的な余裕がある方が入居される傾向にあります。

有料老人ホームのおすすめな選び方は?

有料老人ホームはどのような方法で選べばいいのでしょうか。

また、選ぶときにチェックすべきポイントはどこか知っておきたいところだと思います。

ここからは、有料老人ホームのおすすめな選び方やチェックポイントなどを紹介していきます。

1.高齢の家族に合っている施設を選ぶために予め性格・状況・希望等を明確化しておく

施設を選ぶ際に最も重要なのが、「入居する本人に合っているかどうか」です。

いくら低価格であったり、素晴らしいサービスが整っていたりする施設であっても、本人に合わなかったら意味がありません。

高齢家族の元々の性格や現在の状況、疾患などを紙に書き出し、特徴を分析しておきましょう。

そこから、選ぶ際に何を希望すべきか、どこを重視したら良いかがわかるはずです。

2.パンフレットやホームページでサービス内容をチェックする

記事内でも解説した通り、有料老人ホームはサービス設定の自由度が高いため、施設によって雰囲気やサービス内容が異なります。

ケアマネージャーに勧められたとしても、鵜呑みにせず、パンフレットやホームページでサービス内容をしっかりと確認しましょう。

排泄介助や食事介助等、介護ケアの内容だけでなく、レクリエーションは週何回実施されているのかまで把握しておけると施設の生活が想像しやすいかもしれません。

サービス内容を細かく確認したうえで入居する高齢家族に合っている施設を選んでいきましょう。

3.費用はオプション価格まで確認しておく

有料老人ホームは、月額費用がかかりますが、入居前の説明の段階でその内訳にオプション価格が含まれていないこともあります。

そうした場合、多くの方が月額費用をオプション抜きで想定しているため、請求されたときに思いのほか高額で驚いてしまうということも。

「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、家賃や食費、施設運営費などの他にかかる費用は何があるかを細かく確認しておくと安心です。

細かく確認したうえで、それぞれの施設の費用比較をしていくと確実といえるでしょう。

4.口コミは施設見学者・入居家族だけでなく、施設スタッフのものまで調べる

施設検索サイトなどで利用者や家族の口コミが確認できます。

選んだ施設の内情に不安がある方は、ぜひ参考にしてみると良いかもしれません。

また、口コミは利用者・家族側のものだけでなく、該当の施設に勤務する、または働いていたスタッフの声までチェックするのもおすすめです。

利用者・家族側からは見えないような内情がわかる可能性があります。

ただし、あくまでも個人の意見であるため、口コミを鵜呑みにしすぎるのも危険です。

口コミの意見は参考程度とし、ご自身の目で施設内を確かめてみることが一番です。

5.見学や体験入居をして雰囲気を確かめる

見学や体験入居を実施している有料老人ホームであれば、できるだけ参加するのがおすすめです。

実際にその場で過ごしてみないと、中の雰囲気や向き不向きまではわからないからです。

見学や体験入居をする際にチェックしておきたいポイントは下記になります。

・ピリピリとした雰囲気の中、入居者を急かす職員はいないか
・伝達事項の漏れなど、連携がうまくいっていない様子はないか
・施設内は清潔感があり、掃除が行き届いているか
・施設職員は明るく挨拶ができているか

上記をチェックするだけでも、施設内の雰囲気はわかるものです。

チェック項目の中で、何か違和感を持ったら、入居の見送りを検討してもよいかもしれません。

まとめ

有料老人ホームといっても、種類や法人により、その方針やサービス内容は大きく異なります。

一概にいえないことが多いのが有料老人ホームですので、ぜひ記事を参考にチェックポイントをしっかり確認しながら施設選びをしてみてください。

また、施設が決まらず、まだまだ在宅介護が続きそうな方は、介護予防を考えていくと家族の負担軽減に繋がります。

特に、高齢の家族の身体機能が衰えないような工夫が大切です。

身体機能の維持を考えるなら、衝撃吸収床や衝撃吸収マットを導入してみてはいかがでしょうか。

歩いているときには硬く、転んだときには柔らかく衝撃を吸収してくれる「ころやわ」なら、高齢者の安全な歩行と、転んだときの骨折予防の両方が実現できます。

高齢の方の生活力を維持するためにも、安全性高い衝撃吸収床や衝撃吸収マットを積極的に導入し、在宅介護の負担軽減を図っていきましょう。

この記事を監修しました

中村 亜美

中村 亜美 / 介護福祉士・フリーライター

専門学校の卒業と同時に介護福祉士を取得し、そこから計12年程、特別養護老人ホームで介護スタッフとして勤務。現在は、フリーライターとして、在宅介護者や介護スタッフ、事業者向けのコラムなどを執筆している。(株)Magic Shieldsのコラムでは、介護施設内の課題解決などに着目し、経験を踏まえながらわかりやすい記事の作成を目指している。

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