COLUMN

  1. ホーム
  2. コラム
  3. 小規模多機能型居宅介護とは?費用や選び方も解説《Column vol.41》

小規模多機能型居宅介護とは?費用や選び方も解説《Column vol.41》

小規模多機能型居宅介護とは?費用や選び方も解説《Column vol.41》

「小規模多機能型居宅介護って聞いたことがあるけど具体的なことがよくわからない」「ケアマネジャーに利用を勧められたけどよくわからないから不安」という方もいるかもしれません。

小規模多機能型居宅介護のことをよく理解しないままだと、不安から利用を躊躇し、折角良い介護サービスなのにずっと利用できずに時を過ごしてしまいます。

安心して利用の選択をするためにも、小規模多機能型居宅介護への疑問点を解消し理解を深めていきたいところです。

そこで、本記事では、小規模多機能型居宅介護とはどのようなサービスを提供しているのかやメリット・デメリット、選び方について解説していきます。

小規模多機能型居宅介護とは

小規模多機能型居宅介護とは、訪問・通い・泊まりの介護サービスを組み合わせ、在宅での生活が継続できるようにサポートするための施設です。

別名、小多機とも呼ばれています。

具体的には、以下のサービスを受けることができます。

  • ・訪問介護サービス
  • ・通所介護サービス
  • ・短期宿泊サービス

2006年4月の介護保険制度改正により、今後増加が見込まれる認知症高齢者や中重度者ができる限り住み慣れた地域での生活が継続できるように、地域密着型サービスの新たな体系として創設されました。

小規模多機能型居宅介護は、こじんまりとした家庭的な空間の中で幅広い介護サービスの利用ができます。

  • ・小人数制で家庭的な空間の中で介護サービスを利用したい
  • ・全ての介護サービスを一つの事業所で完結させたい
  • ・毎月同じ利用料のほうがわかりやすい
  • ・通いと泊まりのサービスを組み合わせていつでも利用したい

上記のような想いがある方には、特におすすめのサービスです。

出典:公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」

小規模多機能型居宅介護のサービス内容3つ

小規模多機能型居宅介護のサービス内容は3つになります。

ここからは、3つのサービス内容を具体的に解説していきます。

訪問介護

小規模多機能型居宅介護は訪問介護サービスの利用も可能です。
訪問介護とは、介護職員が在宅に伺って介助等の生活サポートを行うサービスです。

訪問介護の主なサービス内容は以下です。

  • ・身体介助
  • ・生活援助
  • ・安否確認
  • ・その他

小規模多機能型居宅介護の訪問介護サービスの、時間や回数に制限なく利用することができます。

通所介護(デイサービス)

小規模多機能型居宅介護のサービスの一つとして通所介護サービスがあります。
小規模多機能型居宅介護のデイサービスは、通常のデイサービスと内容自体は変わりありません。

デイサービスの主なサービス内容は以下です。

  • ・レクリエーション
  • ・食事介助
  • ・入浴介助
  • ・排泄介助
  • ・機能訓練
  • ・その他

小規模多機能型居宅介護は特定の利用者が繰り返し利用するため、一般的な大型のデイサービスよりもこじんまりしているのがポイントです。

短期宿泊(ショートステイ)

小規模多機能型居宅介護で泊まりの介護サービスを受けることもできます。
それがショートステイです。

ショートステイの主なサービス内容は以下です。

  • ・安否確認
  • ・食事介助
  • ・入浴介助
  • ・レクリエーション
  • ・就寝介助
  • ・排泄介助
  • ・その他

小規模多機能型居宅介護は、デイサービスとショートステイを併せて利用することができる点が嬉しいポイントです。

小規模多機能型居宅介護のメリット

小規模多機能型居宅介護サービスを利用するメリットは多いです。

そこで、ここからは主なメリットを紹介していきます。

月額定額制で通所・訪問・泊まりを柔軟に組み合わせることができる

小規模多機能型居宅介護は、月額定額制となっています。

そのため、どれだけ利用しても月額が変動しません。

また、同じ事業所内で通所や訪問、泊まりの介護サービスが完結できるため、普段デイサービスを利用している高齢者が急にショートステイを利用したいとなった時にも、柔軟に対応することが可能です。

一つの事業所で3つのサービスが利用でき、少人数制のため馴染みやすい

小規模多機能型居宅介護はデイサービスや訪問介護サービス、ショートステイと3種類のサービスを組み合わせて利用することができます。

異なる介護サービスを複数利用する場合でも、一つの事業所で完結し、顔なじみのスタッフに対応をお願いできるため、安心です。

例えば、普段デイサービスを利用している方がショートステイを利用する場合、顔なじみのスタッフや利用者様がいるため、いきなり知らない施設に泊まるよりも安心感を持つことができるでしょう。

また、小規模多機能型居宅介護の登録定員は29名以下と定められており、頻繁に利用していればほとんどの利用者様と顔なじみになれるのもメリットです。

訪問は時間や回数に制限がない

小規模多機能型居宅介護の訪問介護サービスに関しては、時間や回数に制限がありません。

そのため、必要に応じて、訪問介護サービスを受けることができます。

ただし、事業所によって対応できる範囲が異なるため、利用をお願いしたい場合は予め事業所に確認しておくようにしましょう。

小規模多機能型居宅介護のデメリット

小規模多機能型居宅介護はメリットが多い一方で、デメリットも存在します。
契約の前にデメリットも理解しておきたいところです。

そこで、ここからは小規模多機能型居宅介護のデメリット3つを紹介していきます。

ケアマネジャーを選べない

小規模多機能型居宅介護の利用が開始されると、利用する事業所の専属ケアマネジャーが担当になります。

それまでお世話になっていた、ケアマネジャーにケアプランの作成等のケアマネジメントをお願いすることはできません。

これまでの担当ケアマネジャーさんとの相性が良かったという場合には、担当を変えなければならないことはデメリットとなるでしょう。

他事業所の介護保険サービスとの併用ができない

小規模多機能型居宅介護は、他の介護保険サービスと併せて利用することはできません。

例えば、デイサービスは小規模多機能型居宅介護の事業所内、訪問介護サービスは他事業所でという選択はできなくなります。

同じ事業所内で完結させたい方には、小規模多機能型居宅介護が向いていますが、サービスによって事業所を変えたい方にとってはデメリットと感じるかもしれません。

ただし、訪問介護や福祉用具貸与などのサービスは併用可能です。

サービスを利用しない月も定額制のため、料金がかかる

記事内でもお伝えしました通り、小規模多機能型居宅介護は月額の定額制です。

月額が変動しないことをメリットと捉える人が多い一方で、定額制であるが故に利用が少ない時期でも定額を払う必要があるというデメリットもあります。

月の利用回数が少ない可能性がある人には向かないかもしれません。

小規模多機能型居宅介護の選び方

小規模多機能型居宅介護の利用を検討しているけど、どんな風に選べば良いかわからないという方もいるでしょう。

そこで、ここからは、小規模多機能型居宅介護のおすすめな選び方を3つ紹介していきます。

1.インターネット検索で探す

小規模多機能型居宅介護を利用したいと思った時には、ネットで検索することも可能です。
高齢者の住所がある地域の小規模多機能型居宅介護を検索してみると良いでしょう。

気になる事業所があれば、ホームページをチェックしてみましょう。

事業所に直接電話やメールで問い合わせることができる可能性もあります。

2.地域包括センターで相談して紹介してもらう

小規模多機能型居宅介護を利用したい場合、地域包括センターで相談してみることも可能です。
最寄りの地域包括センターに利用の相談をしてみましょう。

要介護認定を受けていない人は、まずはその準備や手続きからスタートとなります。
認定がおりたらすぐにサービスの利用が開始できるように予め小規模多機能型居宅介護の利用を検討している旨を伝えておくとスムーズかもしれません。

3.実際に見学にいってみる

小規模多機能型居宅介護の入居を検討する際には、実際に見学に行ってみるのもおすすめです。
実際に、施設に入ってみないと雰囲気まではわからないからです。

見学に行ったら、特に以下をチェックしましょう。

  • ・清潔感はあるか
  • ・ご利用者様に笑顔は多いか
  • ・介護職員の挨拶や対応は適切であるか
  • ・食事やレクリエーション等、高齢者本人の好みと合ったものであるか
  • ・細かな説明までしてくれているか

高齢者ご本人と相性が良い施設であるかの見極めも大切です。
見学を受け入れている事業所は多いため、希望してぜひ見学をさせてもらいましょう。

小規模多機能型居宅介護に関するよくある質問

小規模多機能型居宅介護について、まだよくわからないことがあるという方もいると思います。

そこで、ここからは小規模多機能型居宅介護に関するよくある質問とその回答について解説していきます。

利用対象者は?

小規模多機能型居宅介護の利用対象者は、以下です。

  • ・要支援者、または要介護者(要支援1、要支援2、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5の認定を受けている人)
  • ・サービスを提供する事業所と同じ地域に住民票がある人


上記2つが主な利用条件となります。

条件をみるとよくわかると思いますが、小規模多機能型居宅介護は、地域に住む要支援者や要介護者の生活を守るためのサービスなのです。

費用相場は?

小規模多機能型居宅介護の利用により、支払う料金は大きくわけて以下の2つです。

  • ・基本料金(月額の定額制料金)
  • ・食事や宿泊、加算費用などの利用料金

介護保険サービスは、小規模多機能型居宅介護に限らず、利用料金から1~3割の自己負担が必要です。
また、費用に大きくかかわる「単位」は要介護度や地域によって異なります。

一概にはいえませんが、小規模多機能型居宅介護の平均的な毎月の費用相場は数万円程度といわれています。

費用で気になることがあれば、管理者やケアマネジャーに確認しておくと良いでしょう。

定員数は?

小規模多機能型居宅介護の登録定員数は、記事内でもお伝えした通り29人以下です。

また、各介護サービスによって1日の利用者数に限りがあります。

具体的には以下です。

  • ・ショートステイ:1日あたりの定員は概ね9人以下
  • ・デイサービス:1日あたりの定員は概ね18人以下

小規模多機能型居宅介護は、利用したい時にいつでも柔軟に利用できるのがメリットですが、希望日の定員数の上限に達した場合、その日は利用できない可能性もあるため、事前に確認しておくことが大切です。

小規模多機能型居宅介護を理解し、利用を検討しよう!

小規模多機能型居宅介護は、小人数制で家庭的な雰囲気を味わえたり、定額でさまざまな介護サービスを組み合わせることができたりするなど、メリットが多い介護サービスになります。

ご自身から利用検討を伝えておかないと、地域包括センターやケアマネジャーからは提案してもらえない可能性もあるため、利用を検討する場合はご自身で調べるか、予め伝えておくと良いかもしれません。

また、小規模多機能型居宅介護を利用しながら在宅介護を続けていく場合、高齢者の生活力を保つために、身体機能の維持にも着目していきたいところです。

転倒事故により身体機能が低下すると、寝たきりの原因になり、生活力が下がってしまう可能性があります。

それを防ぐためには、屋内環境にも配慮が必要です。

特に床材は転倒事故において重要な要素の一つとなります。

歩いているときには硬く、転んだときには柔らかく吸収してくれる「ころやわ」なら、歩きやすい床で転倒予防になるのはもちろんのこと、万が一転倒してしまったときにも柔らかく衝撃を吸収してくれるため、骨折などを防いでくれます。

安全性の高い環境を選択し、介護の負担軽減を図っていきましょう。

この記事を監修しました

中村 亜美

中村 亜美 / 介護福祉士・フリーライター

専門学校の卒業と同時に介護福祉士を取得し、そこから計12年程、特別養護老人ホームで介護スタッフとして勤務。現在は、フリーライターとして、在宅介護者や介護スタッフ、事業者向けのコラムなどを執筆している。(株)Magic Shieldsのコラムでは、介護施設内の課題解決などに着目し、経験を踏まえながらわかりやすい記事の作成を目指している。

お問い合わせはこちら