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ショートステイとは?利用方法やメリットも解説《Column vol.43》

ショートステイとは?利用方法やメリットも解説《Column vol.43》

「夜間出かけたい時があるけど、高齢者の介護しているから家を空けられない」「ショートステイって聞いたことはあるけど、どのようなサービスがよくわからなくて利用を躊躇ってしまう」などと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

ショートステイはメリットの多いサービスですので、内容がわからないからと利用を躊躇ってしまうのはもったいのないことです。

そこで、この記事では、ショートステイとはどのようなサービスであるか、また利用方法やメリットなどを解説していきます。

記事を読んでショートステイを理解し、上手に活用していけるようにしましょう!

ショートステイとは

ショートステイとは、要介護者が短期間施設に宿泊できるサービスのことを言います。

別名で短期入所生活介護や短期入所療養介護とも呼ばれており、主に普段は在宅で生活している高齢者が短期宿泊として利用します。

厚生労働省ホームページではショートステイ(短期入所生活介護)について次のように解説しています。

短期入所生活介護は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などが、常に介護が必要な方の短期間の入所を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練などを提供します。

引用:厚生労働省ホームページ「短期入所生活介護(ショートステイ)」

普段は在宅で生活しているけど、なんらかの理由でご家族が日中、または夜間の世話ができない場合に利用できるサービスです。

ショートステイについて

ショートステイについて気になることはまだまだ多いと思います。
そこで、ここからはショートステイのサービス内容や利用料金などについて詳しく解説していきます。

種類

ショートステイとして一般的によく知られているのは短期入所生活介護ですが、それ以外にも種類があります。

主に以下の3種類です。

  • ・短期入所生活介護
  • ・短期入所療養介護
  • ・介護保険適用外のショートステイ

サービス内容に大きな違いはありませんが、短期入所療養介護の場合は介護老人保健施設のように手厚い医療的ケアやリハビリが受けられる傾向にあります。

また、3種類の大きな違いは利用条件です。

それぞれの利用対象者は以下になります。

  • ・短期入所生活介護:要支援・要介護認定を受けた人
  • ・短期入所療養介護:要支援・要介護認定を受け、なおかつ医療的な処理を必要としている人
  • ・介護保険適用外のショートステイ:事業所によって異なる

短期入所生活介護は特別養護老人ホームに併設されていることが多く、短期入所療養介護は介護老人保健施設の中のサービスの一部として利用できることが多い傾向にあります。

また、介護保険適用外のショートステイは有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に併設されていることが多く、利用条件の設定が自由であるため、事業所によって条件が異なることもポイントです。

サービス内容

ショートステイの主なサービス内容は以下です。

  • ・見守り
  • ・対話
  • ・食事介助
  • ・排泄介助
  • ・入浴介助
  • ・就寝介助
  • ・起床介助
  • ・移乗・移動介助
  • ・レクリエーションやリハビリ
  • ・その他

サービス内容としては、一般的な老人ホームとさほど違いはありません。

ただし、各事業所によって方針は若干異なるため、気になる方は事前に確認しておくと良いでしょう。

利用料金

ショートステイの平均費用額は、一泊二日で3,000円〜20,000円程度と言われています。

ショートステイにかかる費用は以下3つです。

  • ・介護サービス等の基本料金
  • ・送迎サービス等の特別サービス加算
  • ・その他、食費・滞在費・日用品費等

介護保険適用のショートステイの場合は、介護保険が適用されるので、自己負担額は1〜3割になります。
介護保険適用外のショートステイは、利用条件の設定が自由な変わりに、料金が比較的高めになる傾向があります。

また、基本料金は、事業所や高齢者の要支援・要介護度によって違いますので気になる方は利用を検討している事業所に確認してみるようにしましょう。

ショートステイのメリット

利用を検討する上でメリットは気になるところだと思います。

ショートステイを利用するメリットは多いです。
ここからはショートステイのメリットを3つにまとめて解説していきます。

ご家族の介護負担を軽減できる

ショートステイを定期的に利用することで、介護者であるご家族の負担を軽減することができます。

在宅で介護を行っている場合、高齢者の病気の症状や身体の状況によっては、家族が常に家にいる必要があるケースが多いです。それがご家族にとっての心身の負担になってしまうこともあるでしょう。

しかし、ショートステイを利用すれば、高齢者が入所している間は家を空けることができるようになりますので、たまにお出かけしてリフレッシュしたり、買い物や仕事にも行きやすくなったりします。

施設入所をしていなくても家族の負担を軽減できるようになる点が大きなメリットです。

客観的なアドバイスがもらえる

ショートステイを利用するメリットの一つが、職員に客観的なアドバイスがもらえるようになることです。

介護の大きな問題として、「他者に気持ちがわかってもらえない」「家族以外の人に現状を把握してもらいづらい」という点があります。

しかし、ショートステイを利用するようになると日中だけでなく夜間の高齢者の様子をわかってもらえるようになります。

介護が大変であればその気持ちを理解してもらえるようになり、適切なアドバイスがもらえたりするようになるでしょう。

高齢者の社会参加のきっかけになる

ショートステイを利用することにより、高齢者の社会参加を促すきっかけになることもメリットの一つです。

要介護状態になると、体をうまく動かすことができず活動することが億劫になったり、気分が落ち込み寝たきりの状態になったりしてしまうことがあります。

しかし、ショートステイを利用し、リハビリやレクリエーションを行ったり、他者と関わったりすることで社会参加のきっかけになることが期待できます。

高齢者が引きこもりがちになり、心配している方はショートステイの利用を検討してみましょう。

ショートステイのデメリット

ショートステイを利用するメリットが多い一方で、懸念されるデメリットもあります。
そこで、ここからはショートステイのデメリットを解説していきます。

環境に慣れにくい

ショートステイは、高齢者が環境に慣れにくいのがデメリットです。
施設入所とは違いショートステイの場合は、短期間の宿泊になります。

家庭と施設を行き来する形になるため、雰囲気に慣れにくく高齢者にとって逆に負担になってしまうこともあります。

同じ施設でしばらく利用を繰り返すと慣れることもありますので、高齢者の様子をみながら利用していくことがおすすめです。

利用に制限がある

ショートステイは連続利用は30日までという制限があります。
そのため、入所施設のようにずっと高齢者を預けたい方には向かない可能性が高いです。

要介護認定を受けた状態で、施設へ預けたいと思っているなら、有料老人ホーム等への入所検討をおすすめします。

出典:厚生労働省ホームページ「短期入所生活介護(ショートステイ)」

ショートステイの利用方法は3つ

ショートステイを利用するための利用方法は大きくわけて3つになります。
ここからはショートステイの利用方法を3つ紹介していきます。

1.地域包括支援センターで相談する

介護保険サービスのショートステイを利用したい場合、まず地域包括支援センターに相談します。
要介護認定を受けていない場合は、受ける必要がありますので、その手続きを行います。

相談すれば、その後の一連の流れを説明してくれたり、代行してくれたりしますので、まずはお近くの地域包括支援センターに行ってみましょう。

2.ケアマネージャーに相談する

要支援、または要介護認定がついていて、デイサービスなどの介護保険サービスをすでに利用している場合は、ケアマネジャーとの付き合いがあるでしょう。

その場合は担当のケアマネジャーにショートステイの利用をしたいことを相談しましょう。

ケアマネジャーがショートステイを紹介してくれたり、空きを調べてくれたりします。
その後は、どの施設のショートステイを利用するかを選択する流れになります。

3.直接施設に申し込む

介護保険適用外のショートステイの場合は、ケアマネジャーを通さず直接施設に申し込むことができます。
例えば、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などに併設されたショートステイは介護保険適用外になります。

インターネットでお住まい地域とショートステイと入れて検索し、ヒットした事業所のホームページを覗いてみると問い合わせできる可能性がありますので、ぜひお試しください。

ショートステイを選ぶポイント

ショートステイを選ぶ際に、どのような点に着目して選択すればよいかわからないという方もいるかもしれません。

特に介護保険適用外のショートステイであれば、利用条件などがある程度自由に設定されているため、見学等してみないと雰囲気がわからないことも多いでしょう。

可能であれば、事前に見学させてもらうのがベストです。そして、見学の際にはチェックしたい部分もあります。
そこで、ここからはショートステイを選ぶときの見学でチェックすべきポイント3つを紹介していきます。

食事やレクリエーションの内容

まずは、施設サービスの具体的な内容をチェックしましょう。

特に食事のメニュー例やレクリエーションの内容などが、高齢者の好みに合っているかは大切なポイントになります。

見学だけでは把握できない場合は、相談員や管理者に問い合わせると良いでしょう。

ブログやホームページに食事例やレクリエーション活動の様子が紹介されていることもあるので、確認しておくと良いかもしれません。

介護職員の関わり方

見学に行った際には、介護職員のご家族やご利用者様への関わり方にも着目しましょう。
ご利用者様への対応が丁寧であるほど、介護ケアも適切に行われてる可能性が高いからです。

特に以下のことを確認するのがおすすめです。

  • ・適切な距離感で接しているか
  • ・ご利用者様の気持ちに配慮した言葉がけができているか
  • ・怒っているような介護職員はいないか
  • ・丁寧にゆっくりと話しかけているか
  • ・介護ケア前の声掛けはできているか

ご家族への対応だけでなく、ご利用者様への対応が適切であるかを確認することが大切です。

また、職員間で協力し合えているような雰囲気であるかもチェックすると良いでしょう。
万が一、職員の不適切な言動を見つけたら、利用を見送るか、管理者に改善を求めるようにしましょう。

施設内の雰囲気

施設内の雰囲気も大切なチェックポイントです。
特に以下のことを確認しましょう。

  • ・清潔感はあるか
  • ・全体的に暗くないか
  • ・ご利用者様の表情は明るいか

施設の雰囲気は中に入ってみないとわかりません。
そういった意味でも、事前の見学はおすすめです。

見学中にイマイチ雰囲気が掴みきれなかったら、施設のブログやSNSで普段の様子を確認してみるのも良いでしょう。

まとめ

ショートステイは介護家族の負担を軽減させ、高齢者の社会参加を促すことができるメリットの多い介護サービスです。迷っている人は、記事を参考に、利用の検討をしてみてください。

また、ショートステイを利用しながら在宅介護を続けていく場合、高齢者の生活力を保つために身体機能の維持にも注視していきたいところです。

例えば、転倒事故を起こした場合、それがきっかけで身体機能が低下し寝たきりになってしまうことがあります。

寝たきりになり生活力が下がれば、高齢者の生活の質は低下し、高齢者ご自身、またはご家族の負担は一層深刻なものになってしまうでしょう。

それを防ぐためには、屋内環境にも配慮が必要です。特に床材は転倒事故において重要な要素の一つとなります。

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安全性の高い環境を選択し、介護の負担軽減を図っていきましょう。

この記事を監修しました

中村 亜美

中村 亜美 / 介護福祉士・フリーライター

専門学校の卒業と同時に介護福祉士を取得し、そこから計12年程、特別養護老人ホームで介護スタッフとして勤務。現在は、フリーライターとして、在宅介護者や介護スタッフ、事業者向けのコラムなどを執筆している。(株)Magic Shieldsのコラムでは、介護施設内の課題解決などに着目し、経験を踏まえながらわかりやすい記事の作成を目指している。

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