この度、弊社製品、転んだときだけ柔らかい床「ころやわ」が、2021年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。
受賞商品 転んだときだけ柔らかい床『ころやわ』について
「ころやわ」は通常はフローリングのように硬くて転びにくく、車椅子も使えますが、転倒などによる大きな力がかかった時だけ柔らかくなって衝撃を吸収します。販売から1年で導入施設は病院・介護施設を合わせて120施設を超えています。
受賞背景
高齢者の転倒骨折は近年倍増しており、全世界で毎年100万人が転倒骨折しています。
転倒骨折は本人と家族のQOL低下の問題にとどまらず、医療・介護の費用負担(2兆円)や看護・介護にかかわる人手不足(40万人)といった喫緊の社会課題でもあります。
離床センサーを含め、これまで発売された商品の多くは、高齢者の転倒骨折を防ぐために「高齢者を一人で歩かせない」または「一人で歩き出したら看護師・介護士が止める」という前提に基づき開発されています。
しかし高齢者を歩かせないことで、かえって認知症や誤嚥性肺炎などが悪化し、介護負担や社会的費用の負担も増加するという悪循環に陥っていました。
また病院や介護施設において、「転ばせないこと」に関係する業務は10~25%(*)と弊社は考えており、看護師・介護士の業務負担も大きくなっています。
この悪循環を断ち切るには、高齢者が転倒骨折を気にせず歩ける環境を作る必要があります。
弊社の「ころやわ」は、このような課題を解決し、介護環境の大々的な改善を視野にも入れた意義あるデザインとして認められ、2021年度グッドデザイン賞を受賞しました。
(*)出典1…厚生労働省「効率的な看護業務の推進に向けた看護師のタイムスタディ調査(平成29年度)」
出典2…全国老施協における生産性向上 (業務効率化)に向けた 取り組み
審査員の評価(グッドデザイン賞ホームページから抜粋)
介護環境の大々的な改善を視野にも入れた意義あるデザインである。高齢者の転倒骨折は年々倍増しており、本製品はそれに歯止めをかける唯一無二な製品となる可能性を秘めている。床面を適度な硬度で負担の少ない歩行や車椅子移動を可能としつつ、転倒時には適度なクッション性を発揮して骨折などから身を守るというハイブリッドなこれまでにない製品。また、これまで転倒骨折リスクのある高齢者を基本的には歩かせないとしてきた状況の中で、程度はあるが本製品の採用によって逆に歩いてもいいと判断出来るようになることは医療や介護の施設関係者、高齢者本人にとっても大きな変化となり、業務的・人道的悪循環を断ち切る有意義な提案である。今日の高齢化社会において、介護現場の問題は社会規模の問題でもあり、その意義は多大である。
https://www.g-mark.org/award/describe/52119?token=ZsbdMW6qDu
グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞は、1957年の開始以来、デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきました。